「名古屋大学法学部を受けるなら国語の対策も必要ですよね」——このように聞かれることがありますが、実は法学部の個別学力検査に国語は課されません。名古屋大学法学部の一般選抜(前期日程)で個別に試験が行われるのは、数学・外国語・小論文の3科目です。同じ名古屋大学でも経済学部などとは科目構成がはっきり異なるため、志望学部を勘違いしたまま対策を進めてしまうと、直前になって「小論文の準備が足りない」と焦ることになりかねません。
配点面では、大学入学共通テスト950点・個別学力検査600点の合計1,550点満点です。個別学力検査は数学・外国語・小論文の3科目とも200点均等という配点で、なかでも小論文は「高等学校の地理歴史、公民の学習を前提とする」と明記されている点が、法学部志望者にとって特に押さえておきたいポイントです。単なる作文力ではなく、地歴公民で学んだ知識を土台に、法や政治に関わる課題文を論理的に読み解き、自分の考えを文章としてまとめる力が問われます。
この記事では、名古屋大学が公表している最新の入学者選抜要項をもとに、一般選抜の科目構成と配点、学校推薦型選抜という選択肢、科目別の出題傾向と対策の方針、学年別の学習スケジュール、独学で目指す場合に直面しやすい壁までを整理してお伝えします。「国語がなく小論文がある」という独特の科目構成を早い段階で理解しておくことが、志望校選び・学習計画の両面で重要になります。
先にお断りしておくと、本記事で紹介する配点・募集人員・倍率などの数字は、令和9年度(2027年度)入試の入学者選抜要項(令和8年7月公表版)に基づくものです。入試制度は年度によって変更されることがあるため、出願にあたっては必ず名古屋大学 受験生応援サイトおよび最新の学生募集要項でご確認ください。同じ名古屋大学でも学部によって個別試験の科目構成は大きく異なるため、志望学部の一次情報を自分の目で確認する習慣をつけておくことが、遠回りに見えて実は一番の近道になります。
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【結論】名古屋大学法学部の入試傾向と対策|まず押さえるべきポイント
まず全体像を数字で押さえます。名古屋大学法学部の一般選抜は前期日程のみで実施され、学校推薦型選抜(大学入学共通テストを課す方式)もあわせて用意されています。
| 選抜区分 | 募集人員 | 共通テスト配点 | 個別試験配点 | 総点 |
|---|---|---|---|---|
| 一般選抜(前期日程) | 105名 | 950点 | 600点 | 1,550点 |
| 学校推薦型選抜 | 45名 | 950点 | 面接等(段階選考) | ― |
出典: 名古屋大学「令和9(2027)年度 入学者選抜要項」(令和8年7月公表版)。個別学力検査は数学・外国語・小論文の3科目で、それぞれ200点ずつの均等配点です。総点1,550点のうち共通テストが950点(約61%)、個別学力検査が600点(約39%)を占め、経済学部(総点2,450点、個別学力検査が約61%)とは配点の重心がまったく逆になっている点が特徴です。
前期日程のみ、後期日程は実施されない
名古屋大学法学部を語るうえで最初に押さえておきたいのが、一般選抜が前期日程のみで、後期日程が存在しないという点です。名古屋大学で後期日程試験を実施しているのは医学部医学科だけで、法学部を含む他の全学部は前期日程一本での選抜となります。前期日程で失敗しても後期で挽回するという併願構造がそもそも存在しないため、前期日程の一発勝負に向けて計画的に仕上げていく姿勢が欠かせません。その代わりに、大学入学共通テストを課す学校推薦型選抜(募集人員45名)という選択肢が用意されており、一般選抜と組み合わせて出願戦略を考えることができます。
個別学力検査は「数学・外国語・小論文」、国語は課されない
法学部の個別学力検査は数学・外国語・小論文の3科目で構成され、現代文・古文・漢文の国語は個別試験に含まれません。共通テストの国語(200点)は使いますが、記述式の個別国語対策に時間を割く必要がない代わりに、小論文(200点)という独自の科目が加わります。小論文は「高等学校の地理歴史、公民の学習を前提とする」と選抜要項に明記されており、単なる文章力だけでなく、地歴公民の知識を土台にした論理的な分析力が問われる科目です。この記事の後半、「科目別の出題傾向」「科目別の対策の方針」で詳しく取り上げます。
国語がなく小論文がある、独特の科目構成をどう攻略するか相談できます
個別学力検査は数学・外国語・小論文の3科目とも同じ配点です。とりわけ独学で対策しにくい小論文の進め方を、現在の学年・得意科目に合わせて個別にアドバイスします。
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名古屋大学法学部とは|学部の特徴と求められる力
名古屋大学は、2000年制定の「学術憲章」において「自由闊達な学風の下、人間と社会と自然に関する研究と教育を通じて、人々の幸福に貢献すること」を使命に掲げる基幹的総合大学です。法学部は、こうした総合大学の中の1学部として、1948年の創立以来「既成の権威や学問の壁にとらわれない自由と進取の精神」を特徴としてきました。
名古屋大学法学部は、1997年度に法律学科・政治学科の2学科制から統合され、単一の「法律・政治学科」となっています。学年定員は一般選抜105名・学校推薦型選抜45名をあわせて約150名で、これに対し教員は約60名という少人数教育を特徴とする学部です。経済学部のように学科ごとに分属する仕組みはなく、入学後は全員が同じ学科に所属したまま、自分の関心に応じて法律学・政治学の幅広い分野を学んでいきます。
必修科目がない「完全自由選択制」のカリキュラム
名古屋大学法学部の教育課程は、いわゆる必修科目を設けていない「完全自由選択制」を採用している点が大きな特徴です。学生はキャップ制(履修登録の上限)の範囲内で、教員のアドバイスを受けながら自分の興味・関心に基づいて科目を選択していきます。1年次から法学・政治学の専門教育が始まり、1年前期には「法学・政治学の世界Ⅰ・Ⅱ」といった基礎的な科目が置かれ、1年次の基礎から4年次の応用的内容まで段階的に組み立てられたカリキュラムです。入学した時点で細かい専門分野を決め打ちする必要はなく、体系的な学びの中で、自分自身の関心の軸を見つけていく設計になっています。
少人数教育とゼミナール(演習)
名古屋大学法学部の公式サイトによれば、スタッフ1人当たりの学生数は1学年あたり3名程度ときわめて少なく、学年定員(一般選抜105名+学校推薦型選抜45名の約150名)に対し教員は約60名という体制です。専門科目の学びの中心となる演習(ゼミ)は数名から30名程度の少人数で行われ、学生が主体的に研究・発表を行い、討議する形式が取られています。大規模な講義中心の学部と異なり、教員と学生の距離が近く、双方向のやり取りを重ねながら学べる環境が整っている点は、名古屋大学法学部を語るうえで押さえておきたい特徴の一つです。あわせて国際交流プログラムも充実しており、キャンパスにいながら世界を感じられる機会や、海外へ羽ばたく学生を支援する仕組みも用意されています。
入試が求める力(アドミッション・ポリシーより)
名古屋大学法学部のアドミッション・ポリシーでは、「社会のルールの学としての法律学・政治学を学ぶことを通じて、大局的見地に立って的確な価値判断・意思決定を行い、グローバル化社会のさまざまな問題の解決に向けて積極的に寄与し、未来を切り拓いていく」ために必要な資質・能力を備えた人を求めると明記されています。一般選抜では、この資質・能力を共通テストと数学・外国語・小論文の3科目によって評価するとされており、なかでも小論文は「グローバル化社会のさまざまな問題の解決に向けて積極的に寄与するために必要な意欲や能力」を測る科目として明確に位置づけられています。単なる知識量だけでなく、社会の課題に対する関心とそれを論理立てて説明する表現力が問われる入試だといえます。
法曹を目指す人のための「法曹コース」
2019年度以降の入学者を対象に、法曹養成のための「5年一貫教育」を行う「法曹コース」が設置されています。入学後に登録し必要な条件を満たせば、3年間で法学部を卒業したうえで法科大学院(ロースクール)の既修者コース(2年間)に進学できる仕組みです。弁護士・裁判官・検察官といった法曹を目指す場合、標準的なルートより短い期間で法科大学院に進学できる可能性があるという点は、志望理由書や面接(学校推薦型選抜の場合)を準備する段階で押さえておきたい制度です。もちろん、入学時点で法曹コースへの参加を決めておく必要はなく、入学後にあらためて検討することもできます。
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一般選抜の入試方式と科目構成|共通テストと個別試験の配点・募集人員
ここからは、名古屋大学法学部の一般選抜の科目構成と配点を詳しく見ていきます。後期日程が存在しないため、前期日程の科目構成がそのまま法学部一般選抜の全体像になります。
出願資格と共通テストの受験ルール
一般選抜に出願できるのは、高等学校又は中等教育学校を卒業した者、及び卒業見込みの者などが基本です。加えて、令和9年度大学入学共通テストで法学部が指定した教科・科目を受験していることが出願の前提となります。指定教科・科目のうち、個別学力検査の得点に直接算入されない科目(国語・理科など)であっても、共通テストとしての受験そのものは必須である点に注意してください。浪人生であっても、受験する年度の共通テストをあらためて受け直す必要があります。
前期日程の科目構成と配点
前期日程の大学入学共通テストは、国語・地理歴史または公民(1科目)・数学・理科(2つの内容の問題を選択)・外国語・情報の6教科8科目、または7教科8科目です。個別学力検査は数学(数学Ⅰ・Ⅱ・A・B・C)、外国語(英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ、論理・表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)、小論文(高等学校の地理歴史、公民の学習を前提とする)の3科目です。
| 区分 | 国語 | 地歴・公民 | 数学 | 理科 | 外国語 | 情報 | 小論文 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 共通テスト | 200 | 200 | 200 | 100 | 200 | 50 | ― | 950 |
| 個別学力検査 | ― | ― | 200 | ― | 200 | ― | 200 | 600 |
| 合計 | 200 | 200 | 400 | 100 | 400 | 50 | 200 | 1,550 |
この表で見落とせないのが、国語は共通テストの200点のみで、個別学力検査には含まれない点です。その代わり、小論文が個別学力検査として200点分課されており、共通テストにはない独自の科目として合否に直結します。数学・外国語・小論文はいずれも200点均等の配点で、3科目のうち1科目だけを重点的に仕上げるのではなく、バランスよく得点する必要がある設計です。共通テストの理科は2つの内容の問題を選択する形式で1科目として扱われ、地理歴史・公民は1科目のみの選択です。
個別学力検査の試験時間
個別学力検査は2月25日(木)・26日(金)の2日間で実施されます。2月25日は外国語と小論文の2科目、2月26日は数学のみという日程で、外国語10:00〜11:45(105分)、小論文13:45〜15:15(90分)、数学10:00〜11:30(90分)という時間割です。1日目に外国語と小論文の2科目を続けて受験する形になるため、長時間の試験に集中力を保つ練習を過去問演習の段階からしておくとよいでしょう。2日目は数学1科目のみで試験が終了する点も、経済学部など他学部との違いとして押さえておきたいポイントです。
選抜方法と2段階選抜・高得点者選抜の有無
前期日程の選抜は、大学入学共通テスト・個別学力検査・調査書により総合的に行われます。医学部医学科で実施されるような2段階選抜、工学部・農学部で実施されるような高得点者選抜は、法学部には適用されません。共通テストの成績で足切りされる仕組みがない分、共通テストの得点がやや振るわなくても、個別学力検査、とりわけ小論文の完成度次第で挽回できる余地があるとも言えます。ただし裏を返せば、共通テストで大きく得点できたとしても個別学力検査で失点すれば合格ラインに届かない可能性もあるため、小論文を含めた個別試験対策を最後まで軽視しないことが大切です。
学校推薦型選抜という選択肢
名古屋大学法学部には、大学入学共通テストを課す学校推薦型選抜(募集人員45名)も用意されています。法学部に対する明確な志向と勉学の熱意を持ち、学習成績・人物ともに特に優れ、学校長等から責任ある推薦を受けた者が対象で、合格した場合には必ず入学することを確約できる者に限られます。選抜は書類選考(志願理由書・推薦書・調査書等の書類と大学入学共通テストの成績により、約30名の合格者=面接選考を免除された合格者を決定。あわせて、不合格だった者の中から面接選考の受験有資格者を決定)と、面接選考(口頭試問による面接と書類・共通テストの成績により約15名の合格者を決定)の2段階で行われ、合計で約45名が合格します。各高等学校からの推薦人数に制限はない点も、経済学部(2名以内)などとの違いとして知っておきたいところです。共通テストの配点構成は一般選抜と同じ950点満点(国語200/地歴公民200/数学200/理科100/外国語200/情報50)です。
共通テストの英語はどう換算されるか
共通テストの外国語で「英語」を受験する場合、リーディング100点満点・リスニング100点満点の素点をそのまま合算するのではなく、リーディングを150点・リスニングを50点に換算した合計200点満点として利用する仕組みになっています。これは法学部に限らず、文学部・教育学部・経済学部・理学部・医学部・工学部・農学部など全学部で共通のルールです。リーディングの比重が実質的に高くなるため、リスニングが多少苦手でも読解の精度で十分にカバーできる配点設計だといえます。英語以外の外国語(ドイツ語・フランス語・中国語・韓国語)を受験した場合は、筆記200点満点の成績がそのまま素点として利用されます。
前年(令和8年度)入試の志願状況
令和9年度入試の倍率はまだ確定していませんが、参考として令和8年度(2026年度)入試の実績を紹介します。前期日程は募集105名に対し志願271名・受験230名・合格109名で、志願倍率は2.6倍でした。学校推薦型選抜は募集45名に対し志願164名・受験56名・合格45名で、志願倍率は3.6倍でした。
| 選抜区分 | 募集人員 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 志願倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 一般選抜(前期日程) | 105名 | 271名 | 230名 | 109名 | 2.6倍 |
| 学校推薦型選抜 | 45名 | 164名 | 56名 | 45名 | 3.6倍 |
前期日程の合格者平均得点率は、大学入学共通テストが81.07%、個別学力検査(満点600点)が57.97%、総合成績(満点1,550点)は最高83.35%・最低68.90%・平均72.13%でした。共通テストと個別学力検査の平均得点率には約23ポイントの開きがあり、個別学力検査、なかでも小論文の対策の方が得点しにくいという前年の傾向がうかがえます。学校推薦型選抜の合格者(共通テストの)平均得点率は83.37%でした。これらの数字はあくまで令和8年度入試の前年参考値であり、令和9年度入試の倍率や合格ラインを保証するものではない点に注意してください。
他大学との併願ルール
名古屋大学の前期日程に出願する者は、他の国公立大学・学部の前期日程には出願できません(独自日程で実施する公立大学・学部を除く)。前期日程で受験できる大学・学部は実質的に1つに絞られるため、名古屋大学法学部を前期日程の第一志望とする場合は、併願先を後期日程の大学・学部(医学部医学科を除けば選択肢は限られます)や私立大学から選ぶ形になります。私立大学との併願であれば、共通テスト利用方式を含めて日程の制約なく組み合わせることができます。併願先を検討する際は、小論文を課す私立大学が限られる点も踏まえ、名古屋大学法学部向けの小論文対策の時間を確保しつつ、私立大学の出題形式に合わせた対策も並行して進める必要があります。
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後期日程がない名古屋大学法学部だからこそ、出願戦略の選び方が重要になります。残り期間から逆算した学習プランを無料で作成します。
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科目別の出題傾向|数学・外国語・小論文で何が問われるか
ここからは科目別に、名古屋大学法学部(前期日程)の出題方針を見ていきます。以下は名古屋大学が選抜要項の中で公表している出題方針にもとづくものであり、実際の過去問の設問内容そのものではありません。過去問の具体的な問題文は著作権の関係で紹介できないため、大学公式の出題方針の紹介にとどめます。
数学の出題傾向
数学の個別学力検査では、答えを求めさせる問題に加えて証明問題が出題されることもあり、解答形式は計算過程を含めた論述形式が基本とされています。名古屋大学の選抜要項では、問題の趣旨を的確に把握する理解力、前提条件から結論に至る解答の筋道を組み立てる論理的思考力、必要な計算をこなして結果を導く計算力、限られたスペースに解答を筋道立てて記述する表現力を測ると説明されています。なお文系と理系では出題範囲・試験時間・問題数が異なりますが、出題方針そのものは同じとされています。数学が得意でない受験生でも、途中式や考え方を丁寧に書き残すことで部分点が期待できる出題形式だといえます。
外国語(英語)の出題傾向
名古屋大学の英語教育は「英語の専門書を読み、英語で論文を書いて口頭発表するために必要な基礎力を養成する」ことに主眼が置かれており、個別学力検査の英語もリーディングとライティングの問題を通じて、正確な読解力と発信力を問う出題です。共通テストのようにリスニングを課さない代わりに、限られた試験時間の中で読解と表現の両方を同時にこなす負荷の高さが特徴だといえます。リーディングの総合問題では論旨の展開をおさえながら読む力や文脈から作者の意図を読み解く力が、会話文形式の問題では談話の流れに沿って内容を把握する力や英語の質問に英語で答える力が測られます。ライティングの問題では、適切な単語・表現・文法を使って自然な英文を書く力、自分の意見を英語で論理的かつ正確に表現する力が問われます。共通テストの英語がリーディング・リスニング型であるのに対し、個別試験の英語は記述・論述型である点は、対策の方向性を考えるうえで意識しておきたい違いです。
小論文の出題傾向
小論文は法学部の個別学力検査の中でも特に固有の科目で、論述式の問題を通して課題文の論理を的確に理解し、関連する現実の歴史や社会の問題を分析する能力が問われます。名古屋大学の選抜要項では、課題文は「広い意味で法や政治に関わるテーマ」から出題され、高等学校で学ぶ地理・歴史・公民科目の知識を前提に、課題文を理解するための基礎的な学力を有しているかを評価すると説明されています。評価の観点としては、歴史や社会の問題に関心を持っているか、課題文の論理に即して分析するために適切な問題を見つけているか、課題文の論理を応用して自身の視角から問題を分析できているか、そうして導いた考えを論理的に表現できているか、が総合的に見られます。単なる感想文ではなく、地歴公民の知識と課題文の読解力を土台にした論証力が求められる科目だと理解しておく必要があります。
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科目別の対策の方針
出題方針を踏まえ、ここからは科目別の対策の方向性を整理します。個別学力検査は数学・外国語・小論文が200点ずつの均等配点のため、3科目のいずれも手を抜けないのが名古屋大学法学部の対策の大前提になります。
数学の対策
数学は、まず教科書レベルから入試標準レベルの問題集で基礎を徹底することが最優先です。答えだけを合わせる演習ではなく、途中式・論理の流れを省略せずに書く練習を早い段階から習慣化しておくことが重要です。法学部志望者の場合、理系学部志望者ほど数学に多くの学習時間を割きにくいケースが多いため、頻出単元を絞り込みながら効率よく標準問題を反復し、記述式の答案を第三者に見てもらって「どこで減点されうるか」を確認する機会を定期的に持てると、記述の精度が上がりやすくなります。試験時間90分に対して証明問題を含む論述形式である点を踏まえると、解けそうな設問から手をつけ、部分点を積み上げる時間配分の練習も過去問演習の段階から取り入れておくとよいでしょう。
外国語(英語)の対策
英語は、単語・文法などの基礎知識を高2までに固めたうえで、高3からは長文を正確に読み切る読解力と、自分の意見を英語でまとめるライティング力の強化に軸足を移すのが効果的です。リーディング総合問題・会話文形式の問題・ライティング問題という出題構成を踏まえ、それぞれの形式に合わせた演習を並行して進めるとよいでしょう。ライティングについては、模範解答を覚えるのではなく、自分の答案を添削してもらい、減点されやすい表現のクセを早期に修正しておくことが得点の安定につながります。試験時間105分の中でリーディング総合問題・会話文形式の問題・ライティング問題という複数の設問形式に対応する必要があるため、大問ごとにかける時間の目安をあらかじめ決めておく練習も、過去問演習を始めた段階から取り入れておくと安心です。オンライン家庭教師サービスの選び方や他社比較はオンライン家庭教師おすすめ15選比較|料金・講師の質で選ぶでも整理しているので、あわせて参考にしてください。
小論文の対策
小論文は、法学部志望者にとって最も対策の的を絞りにくい科目です。まずは新聞の社説や新書レベルの法律・政治に関する文章を日常的に読み、筆者の主張とその根拠を自分の言葉で要約する練習が土台になります。課題文は「広い意味で法や政治に関わるテーマ」から出題されるとされているため、日頃からニュースや社会問題に関心を持ち、賛成・反対の立場や複数の見方があるテーマについて自分の考えを言語化しておく習慣が有効です。地理歴史・公民の知識を前提とする科目である以上、共通テストのための地歴公民学習と、小論文の下地づくりを別物として切り離さないことも大切なポイントです。答案は書きっぱなしにせず、第三者に「課題文の論理を正確に理解できているか」「自分の視角からの分析になっているか」という観点で添削してもらうと、独学では気づきにくい改善点が見えやすくなります。試験時間90分の中で課題文を読み、構成を考え、答案を書き上げる必要があるため、最初から時間を計って通しで演習する練習を、答案の書き方が固まってきた段階から取り入れることも有効です。
共通テストのみの科目(国語・地理歴史・公民、理科、情報)の対策
国語、地理歴史・公民、理科、情報Ⅰは個別学力検査では出題されず、大学入学共通テストでの得点のみが合否判定に使われます。国語は個別試験がない分、他学部志望者ほど記述対策に時間を割く必要はありませんが、共通テストの得点そのものは総点1,550点のうち200点を占めるため、気を抜かず基礎を固めておく必要があります。個別試験がない科目だからといって後回しにしすぎると、共通テスト本番で思わぬ失点につながるため、高2までに授業内容を一通り理解し、高3の共通テスト直前期に総仕上げをするという時間配分が現実的です。特に地理歴史・公民は、共通テストでの得点だけでなく小論文の下地としても役立つ科目のため、直前期にまとめて詰め込むのではなく、早い段階から知識を積み上げておく価値があります。
学校推薦型選抜も視野に入れる場合
学校推薦型選抜(募集人員45名)を検討する場合は、一般選抜とは別軸の準備が必要になります。法学部に対する明確な志向と勉学の熱意を、具体的なエピソードとして語れるよう早い段階から準備を進めておくことが重要です。書類選考では大学入学共通テストの成績も判断材料になるため、共通テスト対策そのものは一般選抜と共通する部分が大きく、学校推薦型選抜に特化した独自の科目対策を追加で用意する必要はありません。ただし面接では、法律・政治への関心をどれだけ具体的に言語化できるかが問われるため、日頃からニュースに触れ、自分の考えを人に説明する練習を重ねておくことをおすすめします。
国語がなく小論文がある、独特の科目構成をどう攻略するか相談できます
個別学力検査は数学・外国語・小論文の3科目とも同じ配点です。とりわけ独学で対策しにくい小論文の進め方を、現在の学年・得意科目に合わせて個別にアドバイスします。
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学習スケジュールの立て方|逆算計画と学年別の目安
名古屋大学法学部の入試は、後期日程による「二度目のチャンス」がない一発勝負の前期日程であるため、直前期にまとめて対策するのではなく、学年ごとに積み上げる逆算型のスケジュールが現実的です。
高1のうちにやっておきたいこと
高1の間は、受験科目を絞り込む前の土台作りの時期です。英語・数学は積み上げ型の科目のため、高1のつまずきを高3まで持ち越さないことを最優先にしてください。英単語・英文法、数学Ⅰ・Aの基礎は、定期テストのたびに振り返りながら確実に固めておくと、高2以降の演習量を増やす土台になります。国語は個別試験では使いませんが、共通テスト対策として、また小論文の読解力の下地としても、この時期から新聞や論説文を読む習慣をつけておくと後々の伸びが早くなります。地理歴史・公民や理科は共通テストのみでしか使いませんが、高1のうちは授業を通じて基礎知識をコツコツ蓄えておくだけで十分です。
高2のうちにやっておきたいこと
高2は、共通テスト・個別試験それぞれの対策を意識し始める時期です。英語の単語・文法、数学の教科書レベルの理解は、高2の終わりまでに一通り仕上げておきたいところです。地理歴史・公民は共通テストでの配点(200点)が大きく、かつ小論文の下地にもなる科目なので、高2のうちに授業内容を一通り理解しておくと安心です。この時期から新聞の社説や時事的な文章を読み、自分の意見を短くまとめる練習を少しずつ始めておくと、高3で本格的な小論文対策に入った際のスタートラインが変わってきます。
高3からの逆算スケジュール
高3以降は、個別試験の記述力強化と共通テスト対策を並行して進める時期になります。数学・外国語・小論文の3科目を同時並行で伸ばす必要があるため、1科目に偏った学習計画にならないよう、週単位・月単位で各科目にかける時間をあらかじめ配分しておくことをおすすめします。おおまかな目安は次の通りです。
| 時期 | 取り組みの目安 |
|---|---|
| 高3春〜夏 | 英語長文・数学標準問題の演習量を増やし、記述の基礎を固める。小論文は新聞の社説の要約練習を開始 |
| 高3夏〜秋 | 小論文の答案演習を本格化し、第三者による添削を定期的に受ける。数学・英語も過去問形式の演習へ移行 |
| 高3秋〜共通テスト直前 | 共通テスト対策の比重を一時的に高める。国語・地理歴史公民など個別試験のない科目も含めてバランスよく仕上げる |
| 共通テスト後〜前期試験 | 共通テストの自己採点をもとに、個別試験(数学・外国語・小論文)の総仕上げに専念 |
後期日程による挽回ができない以上、共通テスト後から前期試験までの約3週間をどう使うかが特に重要になります。とりわけ小論文は短期間で完成させにくい科目のため、共通テスト後だけでなく、それ以前の段階から継続的に答案演習を積んでおくことが望ましいでしょう。
浪人生・再受験生が押さえておきたいポイント
高卒生(浪人生)が名古屋大学法学部を再受験する場合、現役時に受けた大学入学共通テストの成績は使えず、受験する年度の共通テストをあらためて受け直す必要があります。後期日程による再挑戦の機会がない入試である以上、浪人期間は前期日程1回に照準を絞った計画を立てることになります。現役時に手薄だった科目(特に配点200点均等の数学・外国語・小論文のうち、相対的に弱い科目)を重点的に立て直す期間と位置づけ、春の時点で1年間の到達目標を月単位で区切っておくと、夏以降の答案演習にスムーズに移行しやすくなります。塾・予備校を使う場合の費用感については大学受験の塾費用は年間いくら?学年別相場と安く抑える方法でも詳しく取り上げているので、あわせて参考にしてください。
模試の活用法とスケジュールの見直し方
逆算スケジュールは、一度立てたら固定するものではありません。記述式模試や小論文模試の答案返却をきっかけに、科目ごとの配分を定期的に見直すことが、名古屋大学法学部のような記述中心の入試では特に重要になります。模試の判定(A〜E等)そのものよりも、小論文でどの程度の評価コメントを受けているか、数学・英語の記述式設問でどこまで部分点を積み上げられているかという中身を確認する習慣をつけると、次の模試までに何を優先すべきかが具体的に見えてきます。共通テスト形式の模試と記述式の模試では評価されるポイントが異なるため、両方の結果を別々に管理し、共通テスト対策と個別試験対策のバランスが崩れていないかを定期的にチェックすることも欠かせません。
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独学で目指す場合の壁と対処法
名古屋大学法学部は、後期日程による再挑戦ができない一発勝負の入試であり、なかでも小論文を含む個別試験の答案の質が合否を左右します。知識のインプットだけなら独学でも十分に進められますが、小論文の完成度を独学だけで上げるのは簡単ではありません。ここでは、独学で目指す場合によくぶつかる壁と、その対処法を整理します。
壁1: 小論文の採点基準が独学ではわからない
小論文は課題文の論理の理解度、自分の視角からの分析力、論理的な表現力といった複数の観点から評価される科目で、採点基準は大学から公表されていません。参考書の模範解答と見比べるだけでは、「自分の答案がどこで評価され、どこが弱いのか」を正確に把握するのが難しいというのが独学最大の壁です。特に小論文は数学のように「正解・不正解」がはっきり分かれる科目ではないため、自己採点の精度そのものに限界があります。模範解答の型を丸暗記してしまうと、当日出題されたテーマに合わせて自分の考えを組み立てる柔軟性が失われるリスクもあります。時間内に課題文を正確に読み、論理立てて答案をまとめる練習を添削を受けながら磨いていく必要がある点は、独学だけでは気づきにくい課題です。学校の先生に添削を依頼できる場合でも、法や政治に関わるテーマの小論文を専門的に指導できる先生が身近にいるとは限らず、誰にどう見てもらうかという相談先の確保自体が独学の壁になりやすい点にも注意が必要です。
壁2: 後期日程がないため、失敗を取り戻す機会が少ない
名古屋大学法学部には後期日程がなく、前期日程の結果がそのまま合否に直結するため、独学だと軌道修正の判断が遅れがちになります。共通テストや模試で思うような結果が出なかったときに、その先どう立て直せばよいかを一人で判断するのは簡単ではありません。学校推薦型選抜という選択肢はあるものの、出願要件を満たせるかどうかは高2までの実績や活動内容に左右される部分が大きく、高3から急に方針転換するのは難しい場合もあります。
具体的には、共通テスト後に自己採点の結果を見て「個別試験でどこまで挽回できそうか」を客観的に判断する材料が独学では不足しがちです。過去の合格者の得点分布や、個別試験でどの程度得点できれば合格ラインに届くのかといった感覚は、指導経験のある第三者と一緒に確認できると、直前期の判断がぶれにくくなります。共通テストの結果が振るわなかった場合でも、個別学力検査が総点の約39%を占める配点構造を踏まえれば、記述式答案、とりわけ小論文の完成度次第で十分に挽回できる余地があることを理解しておくことが重要です。逆に、共通テストで高得点を確保できた場合でも、個別学力検査で失点すれば合格ラインを下回る可能性があるため、共通テスト後の3週間を「安心して過ごす期間」ではなく「小論文と数学・外国語の記述精度を最後まで詰める期間」と位置づけておく必要があります。
壁3: 単一学科制・学校推薦型選抜など、制度理解に手間がかかる
ここまで見てきた通り、名古屋大学法学部は1997年度に統合された単一の「法律・政治学科」であり、また一般選抜とは別に学校推薦型選抜(推薦人数制限なし)という選択肢もあります。こうした制度を正確に理解しないまま情報収集を進めると、出願直前になって「実は使える選抜方式があった」「学科が分かれていると誤解していた」といった気づきに至るケースも起こりえます。独学の場合、入学者選抜要項のような一次情報を読み込む時間そのものが確保しにくく、ポータルサイトの断片的な情報だけで判断してしまうこともあります。一般選抜学生募集要項そのものは令和8年11月下旬公開予定でまだ発表されておらず、出願直前まで細部が固まらないという事情もあるため、情報の更新を継続的に追いかける必要があります。特に法曹コース(5年一貫教育)のように入学後に登録が必要な制度は、出願段階では優先度が低く見えがちですが、法科大学院進学まで見据えて志望理由を組み立てたい受験生にとっては早めに存在を知っておく価値があります。学習計画を立てる段階、あるいは定期的な振り返りのタイミングで、第三者に制度理解が正しいかを確認してもらえると、こうした見落としを防ぎやすくなります。
対処法: 状況に応じてプロの視点を取り入れる
こうした壁への現実的な対処法は、すべてを塾に任せるのではなく、「独学で進められる範囲」と「第三者の視点が必要な範囲」を切り分けることです。知識のインプットや基礎演習は独学で進めながら、小論文の添削や出願戦略の相談など、独学では検証しづらい部分だけをプロ講師に依頼するという使い方であれば、費用を抑えながら独学の弱点を補えます。
| 取り組み方 | 独学で対応しやすい範囲 | 第三者の視点が有効な範囲 |
|---|---|---|
| 数学 | 公式の理解、標準問題の反復演習 | 途中式・記述の減点ポイントの確認 |
| 外国語 | 単語・文法の暗記、長文の多読 | ライティングの添削、時間配分の調整 |
| 小論文 | 新聞・時事問題のインプット、要約練習 | 答案の論理構成・分析の視角の添削 |
| 出願戦略 | 選抜要項・募集要項の一次情報収集 | 一般選抜と学校推薦型選抜、どちらに比重を置くかの相談 |
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一般選抜と学校推薦型選抜、どちらに比重を置くかも一緒に考えられます
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よくある質問(FAQ)
名古屋大学法学部の個別試験に国語はありますか?
ありません。個別学力検査は数学・外国語・小論文の3科目で、国語は共通テスト(200点)のみで評価されます。その代わり、地理歴史・公民の知識を前提とする小論文(200点)が個別試験として課されます。
小論文はどのような内容が出題されますか?
大学の選抜要項によれば、課題文は広い意味で法や政治に関わるテーマから出題され、高等学校の地理歴史・公民の学習を前提とした基礎学力と、課題文の論理を理解し自分の視角から分析する力、論理的な表現力が総合的に評価されます。過去問の具体的な設問内容そのものは非公表・非公開のため、公式の出題方針の範囲でご確認ください。
法学部に後期日程はありますか?
ありません。名古屋大学の一般選抜で後期日程を実施しているのは医学部医学科のみで、法学部は前期日程のみの一発勝負です。ただし大学入学共通テストを課す学校推薦型選抜(募集人員45名)という選択肢はあります。
個別学力検査の配点は数学・外国語・小論文で差がありますか?
差はありません。数学・外国語・小論文がいずれも200点均等の配点で、合計600点です。数学と外国語だけを重点的に対策し小論文を後回しにすると、総合点で不利になりやすい配点構造です。
法律学科・政治学科という学科の区別はありますか?
ありません。名古屋大学法学部は1997年度に法律学科・政治学科の2学科制から統合され、単一の「法律・政治学科」となっています。出願時・入学後を通じて学科を選ぶ必要はなく、全員が同じ学科に所属したまま、自分の関心に応じて法律学・政治学を幅広く学んでいきます。
学校推薦型選抜の推薦人数に制限はありますか?
ありません。各高等学校からの推薦人数に制限が設けられていない点は、経済学部(2名以内)など他学部との違いです。ただし出願要件(学習成績・人物ともに特に優れ、学校長等の責任ある推薦を受けること)を満たす必要がある点は変わりません。
浪人しても名古屋大学法学部は受験できますか?
受験できます。ただし前述の通り、現役時に受けた大学入学共通テストの成績は使えず、受験する年度の共通テストを新たに受け直す必要があります。浪人期間の使い方としては、現役時に手薄だった科目(数学・外国語・小論文のうち相対的に弱い科目)を重点的に立て直す1年間の計画を立てるのが基本です。
小論文の対策はいつから始めればいいですか?
小論文は短期間で完成させにくい科目のため、できるだけ早い段階からの着手が望ましいです。高2のうちに新聞の社説や時事的な文章を読み、自分の意見を短くまとめる練習を始めておくと、高3で本格的な答案演習に入った際の伸びが早くなります。高3からは、地理歴史・公民で学んだ知識を活用しながら、実際に時間を計って答案を書き、第三者に添削してもらうサイクルを繰り返すことが得点力の底上げにつながります。直前期にまとめて対策しようとすると、課題文の読解力・分析の視角・論理的な表現力のすべてを短期間で仕上げることになり、負担が大きくなりがちです。共通テスト後から前期試験まで約3週間しかないことを踏まえると、小論文の型そのものは共通テスト前までにある程度固めておくのが現実的な進め方だといえます。
まとめ|名古屋大学法学部合格への次の一歩
名古屋大学法学部の入試は、個別学力検査に国語がなく、数学・外国語に加えて小論文(地理歴史・公民の学習を前提とする)が課されるという、同じ名古屋大学の中でも独特の科目構成を持っています。共通テスト950点・個別学力検査600点、合計1,550点満点で、数学・外国語・小論文はいずれも200点均等の配点のため、特定の科目だけに偏らず3科目をバランスよく仕上げることが欠かせません。
1997年度に法律学科・政治学科から統合された単一の「法律・政治学科」であること、必修科目のない完全自由選択制のカリキュラムであること、法曹を目指す人のための「法曹コース」(5年一貫教育)が用意されていることも、名古屋大学法学部を志望するうえで知っておきたい特徴です。後期日程による挽回ができない以上、学年が上がるほど後から取り戻せる時間は少なくなるため、高1・高2のうちから基礎を固め、高3で小論文を含む記述力の完成度を高めていくという逆算の発想を、できるだけ早い段階から持っておくことをおすすめします。
浪人・再受験を検討している場合や、私立大学・他の国公立大学との併願を考えている場合も、基本的な考え方は変わりません。個別学力検査の配点が均等である以上、苦手科目を作らないことが最短距離の対策につながります。現役生・浪人生を問わず、今の学力と本選抜で必要な得点との差を定期的に数値で確認しながら計画を修正していくことが、結果的に合格への近道になります。
参考として紹介した令和8年度入試の実績(前期日程志願倍率2.6倍、合格者の共通テスト平均得点率81.07%・個別学力検査平均得点率57.97%)からも、共通テストで高得点を取りやすい一方、個別学力検査では得点を伸ばしにくいという構造が見て取れます。とりわけ小論文は独学だけでは得点感覚をつかみにくい科目であるため、共通テスト対策で満足せず、記述式の個別学力検査にどれだけ多くの演習時間を割けるかが、他の受験生との差を生む要因になると考えられます。学校推薦型選抜(募集45名・推薦人数の制限なし)という選択肢もあわせて検討したい方は、出願要件を満たせそうかどうかを高2のうちから確認しておくと、高3になってから選択肢を狭めずに済みます。
本記事の情報は執筆時点(令和9年度/2027年度入試の入学者選抜要項)のものです。入試制度・配点・募集人員は年度によって変更される可能性があるため、出願前には必ず名古屋大学 受験生応援サイト・最新の学生募集要項でご確認ください。特に一般選抜学生募集要項そのものは令和8年11月下旬に公開予定であり、出願方法や締切日などの詳細は募集要項の公開後にあらためて確認する習慣をつけておくと安心です。
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